8章 ダイアログ 日本語スクリプト 

曲がるのかい?曲がらないのかい?

録音時間:6分45秒
場面:五郎が比呂子、マイク、明子と車で京都市内に乗り込む。
     
比呂子  
おつかれさま、五郎さん、もうすぐ前方に東寺の五重の塔が見えてきて、それで
    京都の町中に入ってきたことになるんだけど・・・。
     
五郎 いよいよ京都か。京都東インターで名神を出そこなった時は、どうなることかと心配
    したよ。
     
比呂子 わたしも。でも、京都南インターチェンジで出たもんだから、おかげさまで 京都観光
    をしながら、おばのうちへ、たどりつけそうよ。・・・間もなく東寺が見えてくる
    から、その東寺の手前を右に曲がって・・・、そして二つ目の信号を左折。
     
五郎 あ、見えてきた。あれかな? 東寺の五重の塔は。
     
比呂子 そう、そう。あの手前の道、九条通りを右にお曲がりください。
     
五郎 はい、かしこまりました
     
比呂子

それから、二つ目の信号を左。そうするとそれが堀川通りだから、それをまっすぐ

    五条通りまで突っ走って、五条通りを右折・・・、それから・・・
     
五郎 そんなに一度に言われても困るよ。京都を運転するの初めてなんだから。
     
比呂子 ごめんなさい。とにかくこの堀川通りを突っ走って・・・。
     
五郎 突っ走りたくてもこんなに混んできたから、突っ走れやしないよ。夕方のラッシュ
    アワーにかかってしまったから。
     
比呂子 本当に混んできたわね。まあ、無事に平安の都たどりついたんだからのんびり運転
    で、観光気分味わいましょう
     
五郎 うん。京都は修学旅行で一度来たきりだし、あの時はかっぱエビせんを食べながら、
    観光バスにゆられていたことしか覚えていないんだから。
     
比呂子 今、横切っている通りが七条通りでーす。次の大きい交差点が五条で、そこを右に
    曲がってくださーい。・・・さあ、早めに右折レーンに入らないと。
     
五郎 これだね。ここを右に曲がってと。やれやれ、右折は一苦労だね。
     
比呂子 それから、この地図によると、一つ、二つ、三つ目の大きい交差点が五条河原町
    です。
     
五郎 その交差点を右? 左?
     
比呂子 そこをまっすぐ。
     
五郎 はい、はい。ここをこのまま、まっすぐ行ってと。
     
比呂子 そして五条大橋を渡って・・・この鴨川沿い一帯は、昔、オバケの出そうなススキ
    が原だったんですって。
     
五郎 オバケより、もう少し歴史的な話にしてくれよ。いにしえの都なんだから。